好きなことを仕事にしてよかった

はるか20数年前、大学で勉強もせず漫然と過ごしていた僕は、就職活動を始める時期に、ぼんやりと進路について考えていた。

 

意識が低い学生だったのもあり、そもそも働くということ自体イメージが沸かなかったし、分野は違うけど親と同じようにサラリーマンになるのかなー、なんて思ってた。

 

もっと意識が高ければ起業なんて選択肢もあっただろうし、当時学生に人気の企業に積極的にアプローチしていたかもしれない。

 

そんなある日デイリーアンというアルバイトの雑誌がラグビー部の部室にあったのでパラパラとめくっていた。

 

すると

「大好きなゲーム業界で働こう!」

という巻頭特集があって、僕は

「これだあああああ!」

と興奮してページをめくった。

 

ゲームセンターのスタッフの募集だった。

 

しかし、当時ストリートファイターIIが大好きだった僕はピンときて、ゲーム業界に入ることを決めた。

ゲームセンタースタッフではなく、ゲーム開発員として。

 

そこからゲーム業界のみに絞った企業研究が始まった。

当時はインターネットなんてなかったのに、どうやって調べたのか自分でも憶えてない。

ともあれ、応募する企業はそれなりの数になった。

 

当時のうちの大学にはゲーム業界に行きたいなんてやつは一人もいなかった。

NTTだとか、なんだか真面目そうな会社ばかり。

一部上場企業ではあるが、認識としてはゲーム業界自体の地位がまだ高くなかったのかもしれない。

 

さらに、ある会社にはシカゴ支社もあることを発見した。

 

シカゴ・・・どんなところか全然想像つかん。

 

しかし、アメリカであることは間違いない。

 

これもまた楽しそう!

 

ゲームxアメリカ!

 

ゲームは自分が好きなもの。

アメリカは自分が(漠然と)興味がある場所&文化。

 

こうしてその企業を訪問し、無事内定を勝ち取った。面接時にすでにシカゴに行きたいと主張していた。

 

その後、20年以上ゲーム業界にいるが、やはりゲームが好きだったので、振り返ってもそれなりに楽しかったと思う。

 

確信を持って言える。

 

 好きなことを仕事にしててよかった。

 

好きでもないことを毎日8時間以上もするなんて耐えられない。

 

ゲーム業界にいてもストレスを感じることはたくさんあったが、大半は気持ちよく働けたと思う。アメリカでの生活も楽しかった。

 

今なぜ自動車業界に転職しようとしているか、という話はいずれする。

 

よく、

 好きなことを仕事にする(お金・ビジネスが絡む)と、純粋に楽しめなくなっちゃうよ

とこんな意見も聞く。

 

どんなゲームを見ても、

 どうやってつくっているのかとか

 このビジネスは成立しているのかとか

 いくらぐらい儲かっているのかとか

 これを作るための苦労とか

 他人が作ったゲームが流行っているのを見ると悔しいとか

 あー、この手があったか!と先を越されて悔しいとか

いろいろ職業人としての視点が抜けきれず、純粋に楽しめないというのは確かにある。

 

それでも労働時間の感じ方への影響は何物にも替えがたい。

 

だから、僕は好きなことがあって、それが生活するに十分なレベルでお金を稼ぐことができる仕事だったら、迷わずそれに飛び込んでいいと思っている。

 

子どもたちにもそういうものが見つかってくれればと願っている。