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成果至上主義の弊害

成果至上主義には明らかに弊害がある。

 

成果に対して報酬を決める。

すごくまっとうなことに見えるが、会社組織にとって3つの視点で問題がある。

 

1.期間の問題

期間が絡むとどうなるか。

 

通常、人事考課は半年とか一年ごとにある。

そこで昇給が決定されたりする。

 

そうなると、殆どの人はその期間内に達成できる成果に目が行きがちになり、中長期的な視点をする者がいなくなる。短期で達成できる、目先の利益を追い求めがちになってしまう。もしそれが中長期的に良くないことであっても。

 

評価期間以上の長期間のプロジェクトに対し、進捗で成果評価をすればよいではないか、という考えもあるが、評価する側もされる側もそんなプロジェクトは望まない。

わかりくい、見えにくい、感じにくいのだ。

ひいてはモチベーションを保ちにくい。

 

とはいえこれは業界や職種にもよるところがあるだろう。

営業は日々の販売目標があるので短期的思考に陥りやすい。

ITやゲームも新陳代謝が早い業界なので同じく。

研究職などは長い目で考える傾向にあると思うが、経営者が短期的成果主義を取り入れると歪が起きるだろう。

 

また、今年爆発的売上を叩き出した商品の企画者が盛大に評価されたが、次の年は鳴かず飛ばずだったので、評価が最低になるというようなケースも起こりうる。

(将来への準備が成果と認められれば別だが、これは収益を生んでいないのでそれは成果というよりプロセスに分類されると考える。この場合の企画者の成果の評価は売上とする。そしてここでは成果のみが評価基準である。)

 

さらに、その人は最低の評価をもらったので会社を辞めてしまった、しかしさらにその翌年明けてすぐにまたいい企画を出せる流れだった、などということになると、果たして区切る期間はどれ位が最適なのか、という疑問が生じる。

 

また、成果がじわじわ上がっていく物もあれば、一夜にして大きく達成するものもあったりして、どこで区切ればいいのか?という問題は常にある。

 

 

2.成果の取り合い

社内においては、成果がわかりやすい業務に人気が集まり、成果が表現しにくい作業や地味な作業は人気が出ない傾向になる。

 

また花形のプロジェクトに配属されなかったらやる気が出なくなり、運も関係してくる。そうなると優秀な人は会社を去るだろう。

 

しかし、そういう物も含めての会社組織なので、成果=売上や利益だけで評価すると必ず歪が出てくる。

 

3.状況の変化:目標と結果のミスマッチ

例えば、中国での大量販売を見込んで売上を達成目標にしていたが、世界情勢が代わり、中国でビジネスがしにくくなった。そこで機転を利かせ、代わりにインドに売り込みをかけて、期首掲げた数値目標の6割を確保することに成功した、というようなケース。

 

当然だが、成果で評価するには評価期間が始まる前にかならず基準となる数値目標が設定されていないとよくできたのかどうか、評価できない。

 

しかし、往々にして半年や一年で状況は大きく代わり、目標自体が評価時の状況にマッチしていないことが起こりうる。

 

成果のみに注目していれば、インドに目をつけて開拓した努力は評価されず、売上が目標の60%しか達成していないことになる。

 

また、ひどい場合になると、評価基準が売上であるべきではない、という状況になることだってある。

 

 

 

では、どう考えるべきか。

  

成果とプロセスの2つを評価するべきだ。

 

成果による報酬はいわば、過去に対する報酬だ。

当然この調子で(辞めないで)引き続き頑張って欲しい、ということもあるかもしれないが、「よくできましたね」という後払いの意味が強い。

 

プロセスは、頑張り、開拓精神、進捗、コミュニケーション能力、調整力、育成力、指導力、リーダーシップ、粘り強さ、独自性、革新性、確実性、正確性、理論性などなど、いわば「仕事の進め方・態度」とも言うべき要素に対し、

 将来花開くだろう

 組織全体に良い影響を及ぼすだろう

という将来性・継続性への期待だ。

プロセスによる報酬はいわば、未来に対する報酬と考えていい。

 

この2つのバランスを取ることで、上記3つの問題は解決できる。

 

成果◯、プロセス◯

最高の評価。文句なし。優良社員

 

成果▲、プロセス◯

今期は成果はだめだったが、プロセスがいい=将来性がある、今回は不運だったか

 

成果◯、プロセス▲

成果は良かったが、プロセスが悪い=将来に不安、今回はラッキーだったか

 

成果▲、プロセス▲

どうしようもない

 

会社の姿勢によって成果とプロセスの比重が変わるだろう。

成果の比重が高いと、短期的思考が強く、人材の流動性も高いと推測できる。

プロセスの比重が高いと、中長期的視点を持ち、じっくりビジネスを進める傾向があると推測できる。

 

個人的には

 成果:プロセス = 4:6

ぐらいがいいんじゃないかと感じている。

 

 

※ただ、これはあくまでも大企業の社員の話で、経営者となる役員、リモートワーク、短期派遣社員といった成果のみで勝負する職種には当てはまらない可能性はある。