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VRはダメだ

もうすぐゲーム業界を去る身だが、VRについて書いておこうと思う。

ちなみに一瞬VRの部署に身をおいた時期がある。

 

VR、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で、外界を遮断する形で体験するもの、という意味でのVR、これはダメだ。

 

暑重い

頭になにかかぶる、そして外界を遮断するという行為は非常に心理的ハードルが高い。

正確に言えば、「VRをやろう」と思うまでの心理的ハードルだ。

 

重そうだし、実際重いし、暑そうだし、実際暑いし、他人が装着したものだし、髪型崩れるし、周り見えないし、なんか面倒くさそう。

 

これは僕個人の感想だが、共感できる人も多いと思う。

 

長く遊べない

次に、長く遊ぶのに適していない。

 

重い暑いなどに加え、コンテンツもそんなに長くやってられないものばかり。

 

じゃあ長く遊べるほど夢中になれるコンテンツが出てきたら変わるのか?

今世の中の論調には

 もっと多くの優秀なクリエイターが参入したら変わる

というものもあるが、んなわけはない。

 

VRの良さを感じるには多少のダイナミックさが必要だ。

上下左右どこを向いても世界の中にいることで没入感を出すのだから、ある程度動きを要するコンテンツになりがちだ。

疲れるよ。

あんまり動かなくていいコンテンツならVRじゃなくていいしね。

 

それに大きく手を動かしたりするのって案外だるい。ゲームのコントローラーは最小の動きで正確な動きまでいろいろ出来るから「楽で楽しい」という面がある。

パソコンのマウスやトラックパッドだって、実際に動かした距離よりもディスプレイ上のカーソルが動く距離の方が長いし、大画面がタッチパネルだとずっと操作するのはしんどいのとどこか似ている。

長くは遊べないし、頻繁にしたいとも思わない。

 

没入感も、実は今までのTV型映像、それである程度外界を視野に入れた状態で遊ぶほうが、気楽でいい。いつでも集中力をON/OFFできる。

外界の刺激はあるにもかかわらず、何かのはずみで夢中になれば自然と周りのことは気にならなくなる。

それこそが真の没入感だと思う。

VRは暑重いデバイスによって強制的に没入感を演出している。いやー、そんな長く続けられない。その世界から簡単に逃げられないのは疲れる。

 

長く遊べないのに暑重いからリピートする気もなかなか起きない。

 

技術

技術的な問題もまだ大きい。

そりゃあ、昔よりは格段にクオリティもあがった。

しかしこれを表現するマシンスペックの要件が高すぎて、いろいろ問題が起きている。

・熱問題

・大きさ・重さ問題

今はHMDと別にコードで繋いだPC本体に電源をもって、そこで演算をしている。それもキツい。

 

VRは様々な最先端技術の塊だ。

しかし、より快適にプレイするにはほぼすべての要素で数段の進化が求められるレベルで、全然足りない。

CPU、GPU、ディスプレイ、電池(電源)、ワイヤレスなどなど。

どこかが一つ大きく進化しても、「少し便利になった」というレベルで、総合的には一般層が満足できるレベルに達しない。

まだまだ道は遠い。

 全部が数段進化しないとお話にならない。いつまで待つのか。

ましてや常に最先端技術なので値段も高いし。

それに配線とか設定とかも複雑。

 

なんか他にもいろいろ理由は考えられるが、消費者レベルに浸透はしないので、そこでのビジネスはまだまだ難しい。

 

コンシューマーではなく、テーマパークスタイルはまだビジネスは成立しやすいみたいだが、そこでもオペレーションコストが高いし、恵まれたロケーションは少ない。

ダイナミックなジェットコースターなどと違って、ほぼその場を動かないVRアトラクションはなんか騙されてる感・割高感もある。

 

そんなわけで、今世界で一番売れているPSVRも、XboxKINECT、PSのMOVEのように一過性で終わる。

これからソフトが続けてでなくなる。

ビジネス的にもあえてそこに注力する意味が見いだせないので、悪いスパイラルに陥る。

 

ただ、先のテーマパーク型は実績を積んできている。これは残る。

それに、ゲーム以外の現場、VRをするモチベーションが「楽しそう」じゃない現場では成立する可能性は十分ある。不動産のエア内見とか。医療の勉強とか。

 

うちもソーシャルがキーワードの会社なので、ソーシャルVRに注力している(していた?)ようだが、ソーシャルはベースとなる人口が一定量必要だからね。

長く遊べないデバイスで出会うことは難しいよね。

もうソーシャルは携帯みたいに生活に密着したもので成立してて、VRはそこから遠いよね。

 

そんなわけで今うちが持っているVR部署なんか、なんだかいろいろな手法でビジネスを生み出していてそれなりに成立しそうかな?と思わせるが、実際はそんなことを結構真面目にやっているところが少ないから、というだけのこと。

うちの会社単位ではぎり採算取れているのかもしれないが、メインストリームにはならないし、大儲けは難しそうよ。

中国でVR広がってきてる!らしいけど、うーん、一発はあるかもだけど、あったとしても一発限りだな。

 

まあ、一年前にVRに配属になったときから考えていたのだけど、まだ結果がはっきり出てないので、先に言っておく。

 

VRはダメだ。

投資は集まっているが、消費者からしっかりお金が集まってくるレベルの会社は超絶レアだと思う。

 

2年後にはだれも口にしないか、未だに「くるぞくるぞ!」といい続けているかのどっちかかなー。

開発者が「わー!こんなレベルまで来たんだ!夢の時代到来!」と浮かれてる気持ちが現実から目をそむけているという側面もあると思うので、2年後はそこら辺は落ち着いていて、もはや誰も口にしない、という状態になりそうな気がする。

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